夢判断

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みなさんは「夢判断」をご存知ですか?

同じような夢を何度も繰り返し見るとき、やはりそこには何か心理的なことが影響しているのでしょう。

いまから10年ほど前の話ですが、20代半ばの頃、わたしが頻繁に見た嫌な夢のひとつに、「殺人の夢」がありました。より正確には、殺人そのものではなく、「人を殺してしまったその後日」を、シチュエーションを変えながら夢の中で何度も体験させられたのです。

夢の中でわたしは、知人(これも現実世界の知人ではなくて、夢の中でのみ登場する、実際には存在しない人物です)を殺してしまったことをひたすらに後悔します。

目が覚めたあともしばらくは後悔し続け、その一方で自分が誰を殺してしまったのかを全く思い出せず、やがて本当は誰も殺してはいないということに思い当たり、ようやく現実の世界に引き戻される、という嫌な夢です。

あるときは死体を埋めた場所を様子見に訪れ、まだ犯罪が露見していないことに安堵する夢。

またあるときは自宅まで警察官が聞き込みに来て、全身から汗を噴き出しながら必死にシラを切る夢。

そしてまたあるときは良心の呵責に耐えかね、「誰にも言わないでくれ」と泣きながら友人に犯行の一部始終を打ち明けるもその友人が会話を録音していることに気が付き悲鳴をあげながら目覚める、というふうに。

夢を見るたびにだんだんと捜査が進行しており、いずれ御用となる日も近いと思われました。

そんな悪夢も、20代の終わり頃からぱったりと見なくなりました。幸いにして(?)夢の中での捜査は中断したようで、わたしは殺人犯として逮捕されることなく現在に至っています。

でも見なくなったらなったで、あの夢は一体なんだったのだろう、自分は夢の中で誰を殺したのだろうとずっと気になっていたのですが、いまの世の中便利なものでして、ネットで検索すると出るわ出るわ、これでもかとばかりに夢判断の情報が。おかげでやっとあの夢の「意味」が判りました。

わたしが夢の中で殺してしまったのは、おそらく自分自身。ひたすら後悔していたのは、別の人生を歩んでいたかもしれない自分のありうべき未来の可能性を「殺して」「埋めて」「後戻りできない」状況になってしまったから。

司法書士試験に何度か落ち、八方塞がりの頃によく見た夢でした。そしてこんな嫌な夢を見なくなったのは、どうにか司法書士試験に合格することで「別の人生」に対する未練を断ち切ることができたから、なんでしょうか。

評議員 林 徹

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