先日、簡易裁判所に被告代理人として出廷しました。「被告」と聞くと何か悪い事でもした人なのか?と間違えそうですが、「被告」はあくまで民事裁判で訴えられた相手方であり、刑事裁判の「被告人」とは似て非なるものです。
さて、裁判当日ですが、小心者で真面目な私は、裁判の始まる30分前に到着し、指定された法廷のフロアに行きました。法廷の廊下にはその日に行う裁判の一覧表と受付簿があり、出廷した本人または代理人が名前を書くようになっています。早速私も受付簿の代理人欄に名前を書いたものの、まだ法廷のドアには鍵がかかっており、裁判所内の自動販売機(なんと90円)でコーヒーを買って時間をつぶしました。15分前にやっと法廷のドアが開き、傍聴人席に腰かけて辺りを見渡したのですが、スーツ姿の方がほとんどで、いわゆる会社の仕事で裁判に来ている方でしたが、中には、初めて裁判所に来たとおぼしき方の姿もありました。最近の裁判所は随分と明るくなっており、以前ほど重苦しい雰囲気ではありませんが、初めて裁判を受ける方には、その雰囲気にのまれそうになってしまうかもしれません。
時間が近づき、司法委員という裁判官のお手伝いする方が何人か入廷されたのち、裁判官が登場しました。裁判官が登場した際には一同起立し、礼をするのが通例です。
裁判自体は、事件番号と原告氏名・被告氏名が読み上げられ、それぞれが原告席・被告席に座ってから始まるのですが、そこから先は、以外にも淡々と作業のように進んでいきます。テレビドラマのリーガルハイのような、原告・被告が入り乱れて喧々囂々にぶつかり合う!なんてことはありません。実際には、被告が出廷せず、いわゆる欠席裁判としてどんどん先に進んでしまう事件が多くあります。また、双方出廷した場合でも、ほとんどの裁判では和解という話し合いを行うことが多く、その時に司法委員さんが登場します。
こんな風に簡易裁判所の民事裁判はすすめられていますが、ほとんどの方は裁判所に縁がなく、万が一当事者になってしまったときに慌てられることが多いかと思います。せっかく民事裁判は公開を原則として、国民に開かれておりますので、社会勉強または後日の自分のために一度裁判を傍聴することをお勧めします(自動販売機は90円ですし)。
評議員 野田隆誠